髄膜炎の治療法と予防
原因
髄膜炎は、ウイルス、細菌、真菌、寄生虫などさまざまな病原体が髄膜に炎症を起こすことで発症します。最も一般的なのはウイルス性と細菌性で、細菌性は特に重症化しやすく、迅速な治療が必要です。その他、マラリア、真菌(例:クリプトコッカス)、アメーバ(Naegleria fowleri)感染、特定の処方薬の副作用、免疫不全状態(HIV感染者や免疫抑制療法中)でも起こります。シャント装置を使用している患者などは再発しやすいです。
初期治療
髄膜炎は急速に症状が悪化するため、疑いがある時点で速やかに治療を開始することが推奨されます。まずは原因菌が特定できていなくても、経験的に広域抗生物質を投与し、培養結果や薬剤感受性に基づいて薬剤を調整します。治療薬の選択は患者の年齢、居住地域、既往歴などにより異なります。診断中は呼吸不全やショックなどの合併症に対する対症療法も同時に行います。
診断確定後の治療
細菌性髄膜炎と診断された場合、感染原因に合わせた特異的抗生物質に切り替えます。成人では、炎症抑制のためにステロイド(デキサメタゾン)を併用することが一般的で、特にHIV感染率が低い先進国で有効性が報告されています。しかし、若年児や高齢者を含む多くの患者で死亡率は依然として高く、早期診断と適切治療が重要です。
その他の治療法
ウイルス性髄膜炎は細菌性に比べて症状が軽く、特効薬はありません。安静、十分な水分補給、解熱鎮痛剤など対症療法が中心です。免疫抑制状態の患者に多い真菌性(クリプトコッカス)髄膜炎は、アムホテリシンB、フルシトシン、フルコナゾールの併用療法が推奨されています。非常に稀ですが、Naeglerアメーバ感染は致死率が極めて高く、確立した治療法はありません。
予防・対策
髄膜炎の一部原因に対してはワクチン接種が有効で、特に髄膜炎球菌や肺炎球菌、インフルエンザ菌のワクチン導入により罹患率が低下しています。また、細菌性髄膜炎の接触者には予防的に抗生物質を投与することで二次感染を防止できます。
