聴覚スクリーニングツールの概要と検査方法
聴覚検査は、個人の聴力に問題があるかどうか、そしてその影響が日常生活にどの程度及んでいるかを判断するために行われます。乳児や幼児は定期健診の一環として聴覚検査を受けます。聴覚障害は学習や発達に大きく影響するため、早期発見が重要です。医師や聴覚専門家(オーディオロジスト)は、質問票と専用機器を用いて聴覚障害の有無をスクリーニングします。
聴覚障害の種類
耳のいずれかの部位に問題が生じると、聴力に影響が出ます。外耳や中耳に感染や液体がたまると、伝音性難聴と呼ばれる一時的または可逆的な聴力低下が起こります。一方、音が内耳まで届いているのに聞こえない場合は、内耳や聴神経に問題がある感音性難聴が考えられます。感音性難聴は伝音性に比べて頻度は低く、生まれつきの内耳障害は稀です。
基本的な聴覚検査
医師やオーディオロジストは、聴覚障害の有無とその影響度を評価するためにさまざまな機器を使用します。まず、耳鏡(オトスコープ)で外耳・中耳の状態を確認し、障害や閉塞がないかを調べます。疑いがある場合は「ささやきテスト」を行い、ささやき声が聞き取れるかを確認します。また、チューニングフォークを用いて難聴のタイプを判別することもあります。
チューニングフォークテスト
ウェーバー法とリネー法の2つのテストで、難聴の種類を特定します。
・ウェーバー法:512Hzのチューニングフォークを軽く叩き、頭部や前頭部に当てます。音が障害側の耳で強く聞こえる場合は伝音性難聴、正常側で強く聞こえる場合は感音性難聴です。
・リネー法:同じフォークを顎骨に当てて音が聞こえる限界まで聞き、その後耳の近くに置いて空気伝導の音を聞きます。正常聴力と感音性難聴では空気伝導の音が聞こえ、伝音性難聴では骨伝導の音が優勢に聞こえます。
乳児の聴覚検査
乳児の聴覚障害は発達に深刻な影響を及ぼすため、定期健診で必ずスクリーニングが行われます。主に以下の2つの自動検査が用いられます。
・自動耳音響放射(AOAE):赤ちゃんの耳に小型プローブを挿入し、軽いクリック音を出します。音が耳内で反射すれば正常と判断されます。
・自動聴性脳幹反応(AABR):AOAEで結果が不明確な場合に実施し、頭部や首にセンサーを装着して脳幹の反応を測定します。検査時間は約20分で、赤ちゃんの聴力に関する詳細な情報が得られます。
検査時の留意点
乳児スクリーニングやチューニングフォークテストは高い精度を持ちますが、完全ではありません。医師は書面での質問票を併用し、患者が音をどのように処理できるかを評価します。これにより、機器だけでは捉えきれない微細な聴覚障害の可能性も見逃さずに判断できます。
