うつ病における民族性の影響
うつ病は深刻な精神障害で、適切な治療がないと日常生活や機能に大きな支障をきたす。米国では約1500万人の成人が大うつ病を患っており、15〜44歳の障害原因のトップとなっている(米国国立精神衛生研究所)。
人種別のうつ病リスク
人種、教育、社会経済的要因がうつ病に与える影響を分離するのは難しい。いくつかの研究では、どの要因が本当の決定要因かを検証した。
アフリカ系アメリカ人
2005年にミシガン大学が実施した研究によると、教育や収入の差を除外すれば、アフリカ系アメリカ人は白人に比べて大うつ病の罹患率が低いことが分かった。一方、軽度の慢性うつ状態(ジストミア)の発生率は白人より高い。
メキシコ系アメリカ人
メキシコ系アメリカ人も同様に、大うつ病の罹患率は白人より低いが、ジストミアの発生率は高い。保険未加入者が多く、治療機会が少ないことが原因と考えられる。
白人(アングロ系アメリカ人)
白人は大うつ病になるリスクが高く、保険加入率も高いため治療を受けやすい。一方、ジストミアの罹患率は低く、特に中学以上の教育を受けた層で顕著である。
研究上の留意点
メキシコ系アメリカ人の調査では、母語がスペイン語であるにも関わらず英語でテストが実施されたため、回答の妥当性に疑問が残る。また、移民ステータスがうつ病に与える影響も考慮すべきである。
