憩室炎に対するプレドニゾン使用の安全性
60歳以上になると、腸の壁にできる小さな嚢状の膨らみ(憩室)が炎症を起こす「憩室炎」になる人が増えます。治療は可能ですが、症状が悪化すると命に関わることもあり、特に高齢者は注意が必要です。ここでは、プレドニゾンなどのステロイド薬が憩室炎に与える影響と、服用を避けるべきタイミングを解説します。
憩室炎とは
憩室は消化管の壁が弱い部分にできる袋状の突起で、ほとんどの場合は無症状です(憩室症)。しかし、これが感染すると炎症を起こし、痛みや発熱を伴う「憩室炎」になります。年齢が上がるほど憩室ができやすく、60代以上では半数近くが憩室症を持つとされています。
治療の基本
憩室症と診断された場合は、食事内容の改善や繊維質の摂取増加で炎症予防が推奨されます。憩室炎が疑われるときは、抗生物質と食事制限が中心となり、重症例では手術が必要になることもあります。いずれの場合も、ステロイド薬(例:プレドニゾン)の使用は原則として避けるべきです。
プレドニゾンの注意点
プレドニゾンは炎症を抑える効果があるコルチコステロイドですが、免疫抑制作用があり感染リスクを高めます。憩室炎が活動中の状態でプレドニゾンを服用すると、炎症が悪化したり、既に治った感染が再燃する恐れがあります。そのため、症状が完全に落ち着くまで使用は控えるべきです。
無症状の憩室症でも危険
ステロイドは憩室壁を弱くし、穿孔(穴が開く)を引き起こすことがあります。穿孔が起きると腸内細菌が周囲組織に漏れ、重篤な感染症に至ります。ニュージーランド医療協会誌によると、こうしたケースの死亡率は27%から100%と報告されています。医師がプレドニゾンを処方する際、患者が無症状の憩室症を抱えているかどうかを確認することが重要です。
高齢者への特別な配慮
高齢者は憩室症の罹患率が高く、さらに他の疾患(関節リウマチ、喘息、癌など)の治療でプレドニゾンが処方されることが多いです。自分が憩室症・憩室炎を持っている場合は、必ず医師に伝えて代替治療を検討してもらいましょう。適切な管理がなければ、重篤な合併症を引き起こすリスクが高まります。
