非補償性肝疾患の症状と進行
非補償性肝疾患とは、肝臓が損傷し正常に機能しなくなった状態を指します。アルコールの長期摂取やB型・C型肝炎、右心不全、遺伝性代謝異常、自己免疫疾患、寄生虫感染などが原因となり、最終的に肝硬変へと進行します。
初期変化
- アルコール性肝障害の初期では、肝臓に脂肪が蓄積し「脂肪肝」と呼ばれる状態になります。自覚症状はほとんどなく、血液検査でのみ検出されます。禁酒すれば可逆的に改善します。
進行した症状
- エネルギー不足や倦怠感、全身のかゆみが現れます。症状が進行すると、眼球結膜が黄染し、皮膚が黄疸を呈します。尿は濃い色に、便は淡くなることがあります。
最終段階の症状
- 消化管から出血し、意識障害や混乱が起こります。腹水による腹部膨満、顔面の蜘蛛状血管腫(スパイダー・アンジオマタ)、手掌の斑状変色、口臭(アンモニア臭)などが特徴的です。
爪の変化
- 爪甲の肥大化(クラビング)や、ムエルケ爪(爪の中央に白帯が2本出現)・テリ爪(爪の上部2/3が白く、下部1/3が赤い)といった変化が見られます。これらはアルブミン産生低下に伴うものです。
性的変化
- 男性では乳腺肥大(乳房の腫れ)が約66%で認められ、性欲低下や精巣萎縮が起こります。これは下垂体・視床下部・性腺の機能障害が原因です。
肝臓・脾臓のサイズ変化
- 肝臓は必ずしも腫大するわけではなく、縮小したり硬い結節が形成されたりします。肝硬変に伴う門脈圧亢進により脾臓が腫大することがあります。
