虫垂炎の症状・診断・治療ガイド
虫垂炎は予兆なしに突然発症し、激しい腹痛を伴って救急外来へ駆け込むケースが多いです。患者ごとに症状の出方はさまざまで、軽い不快感で済む人もいれば、ベッドから起き上がれないほどの激痛に苦しむ人もいます。ここでは虫垂と虫垂炎の基礎知識、主な症状、診断方法、治療の流れと合併症について解説します。
虫垂とは
虫垂は大腸の盲腸から伸びる長さ約7〜10センチメートルの細長い管状の臓器です。機能は明確に解明されていませんが、炎症が起きると急激に症状が悪化します。虫垂炎は主に糞便や異物が詰まることで起こり、細菌が増殖して感染を引き起こします。
虫垂炎の症状
初期はへその周囲に鈍い痛みが現れ、24時間以内に右下腹部へと移動します。
吐き気、発熱、嘔吐が頻繁に見られ、食欲不振になることが多いです。
痛みは数時間で鋭く強くなり、座ったり歩いたりすると悪化します。
便通にも影響が出やすく、便秘や下痢、排便時の圧迫感が伴うことがあります。
誤診の可能性
虫垂炎の初期症状は胃腸炎や腸感染症と類似するため、誤診されやすいです。血液検査で白血球数が上昇することが多いですが、正常範囲でも虫垂炎は起こり得ます。そのため、白血球数だけで診断を確定できず、症状の経過と画像検査が重要です。
検査方法
血液検査で白血球数や炎症マーカー(CRP)を確認。
腹部・骨盤のCTスキャンが最も確実で、虫垂の腫脹や穿孔の有無を評価できます。
必要に応じて腹部X線や超音波検査を実施。超音波は卵巣嚢胞などの鑑別に有用ですが、虫垂は必ずしも映らないことがあります。
治療と合併症
診断が確定したら速やかに虫垂切除術(腹腔鏡手術が主流)を行います。治療が遅れると虫垂が破裂し、腹膜炎(腹膜炎症)や敗血症を引き起こす危険があります。破裂した場合、卵巣や卵管への感染で不妊リスクが高まるほか、全身性の感染症(敗血症)に進展する可能性があります。
