唾液や胃のリパーゼが消化にあまり効果的でない理由は?

唾液中のリパーゼが弱い理由

pH感受性: 唾液のpHは6.8〜7.4とややアルカリ性です。リパーゼは中性からやや酸性のpHで最も活性が高く、アルカリ性では酵素活性が低下します。

酵素濃度と基質へのアクセス: 唾液中のリパーゼは濃度が低く、脂肪を乳化する力も弱いです。食事中の脂肪は大きな球状で、酵素が十分に接触できず分解が進みません。

胃内のリパーゼが働きにくい理由

極端な酸性環境: 胃液のpHは1〜2と非常に低く、ほとんどのリパーゼはこの酸性条件で安定せず、活性が失われます。

タンパク質分解酵素の存在: 胃は主にタンパク質消化を担い、ペプシンなどのプロテアーゼが大量に分泌されます。リパーゼは中性~やや酸性で最適に働くため、酸性とプロテアーゼの混在が酵素活性を阻害します。

脂肪の乳化が不十分: 胃は胆汁酸塩を分泌しないため、脂肪が小さなミセルに分散されません。乳化が進まないと、リパーゼが作用できる表面積が限られ、消化効率が低くなります。

以上の理由から、唾液や胃のリパーゼは膵臓から分泌されるリパーゼに比べて脂肪消化への寄与が限定的です。膵リパーゼは小腸で適切なpHと胆汁酸塩の助けを受け、効率的に脂肪を分解・吸収します。

消化器の健康 - 関連記事