がん治療に伴う疲労感
がんは異常細胞の増殖を伴う多様な疾患で、主な治療法は放射線療法、外科手術、化学療法です。治療に伴う副作用として最も一般的なのが疲労感(倦怠感)です。米国国立がん研究所の調査によれば、がん患者の最大96%が疲労を経験しており、治療中の患者でその割合はさらに高くなります。
疲労の原因は?
化学療法は赤血球(RBC)を破壊し、酸素運搬能力が低下して貧血を招きます。貧血になるとすぐに疲れやすくなります。また、放射線療法や手術もエネルギー低下の要因です。さらに、がん治療中は痛み、吐き気、嘔吐が起こりやすく、これらを緩和する薬剤も倦怠感を引き起こすことがあります。
疲労はいつ起こる?
化学療法は数日間の投与と一定期間の休止を繰り返すサイクルで行われます。投与開始直後に疲労が現れ、サイクルの終わりに最も強くなります。外部放射線療法では高エネルギーX線を毎日数日間照射し、治療が進むにつれて疲労感が増大します。
対処法
治療中はエネルギーが限られるため、無理にすべてをこなそうとせず、周囲のサポートを求めることが重要です。こまめな休息や昼寝は有効です。バランスの取れた食事と十分な水分補給、適度な運動も体力維持に役立ちます。患者会やサポートグループに参加することで、精神的な支えを得られることもあります。
医療提供者に連絡すべき時
治療中や直後の疲労は通常の反応ですが、24時間以内にベッドから起き上がれないほどの急激な倦怠感が現れた場合はすぐに医師に相談してください。めまい、集中力低下、抑うつ感、過度の眠気などは、より深刻な合併症のサインとなることがあります。
慢性疲労
米国がん協会によれば、治療終了後も3〜12か月間疲労が続くことがあります。骨髄移植を受けた患者などでは、がんが完治していても何年もエネルギー低下が続くことがあります。慢性的な倦怠感は生活の質を著しく低下させ、仕事や日常生活に支障をきたすことがあります。そのため、専門医に相談し、身体的疾患が原因でないかをまず確認してもらうことが重要です。
