車椅子の歴史・種類・アクセサリー総まとめ
車椅子は、車輪と椅子が最初に組み合わさって以来、移動手段の改良が続けられてきました。かさばる古い形状から軽量な車両へと進化し、現在では障害者が泥や雪、砂に足を取られることなく、スポーツや通勤、公共交通機関の利用まで、自由に行動できるようになっています。本稿では、車椅子の歴史、種類、そして便利なアクセサリーについて解説します。
古代・初期の歴史
- 考古学者は、6世紀の中国の銅版画に車椅子らしきものが描かれていること、同時期のギリシャの壺絵に車輪付きベッドがあることを確認しています。いずれも人が引くタイプで、車椅子は身体障害者ではなく特権階級の移動手段として使われていました。
- 6世紀以降の記録はほとんど残っていませんが、1595年に描かれた画が当時の車椅子を示す唯一の証拠となっています。
中世以降の歴史
- 16世紀、フランスの職人Jehan Lhermiteがスペイン王フィリップ2世のために、鉄・皮革・木材で作られた足置き付きの車椅子を製作し、1595年の絵画にその姿が残されています。
- 1655年、英国の時計職人で下半身麻痺のStephen Farflerが自らのために、前輪1つ・後輪2つの箱形車椅子を設計しました。前輪の左右にレバーを付け、使用者が自力で進むことができました。
- 1783年、John Dawsonはイングランド・バスの温泉利用者を運ぶための「Bath chair」を発明しました。開放型と閉鎖型があり、ハンドルで方向を操作しますが、推進は介助者が行います。
- 19世紀は主に木製で、籐(わた)製の背もたれや座面が一般的でした。車輪は次第に大きくなり、利用者が自ら回すようになり、1881年には「プッシュリム」と呼ばれる小さな内輪が追加されました。
20世紀の車椅子
- 20世紀に入ると、スポーク付き車輪や調整可能な座席が導入され、金属製で籐シートのものが主流となりましたが、依然として操作性は低く、携帯性も課題でした。
- 1933年、Harry Jenningsは友人のHerbert Everest(鉱山事故で背骨を負傷)から依頼を受け、チューブラー鋼製の折りたたみ式車椅子を開発しました。折りたたむと車のトランクに収まるサイズとなり、Everest & Jennings Internationalとして米国最大手メーカーへ成長しました。
- 1916年に英国で初の電動車椅子が製造されましたが、価格が高く手動車椅子が主流でした。米国で本格的に普及したのは1950年代以降です。
- 素材はアルミニウム、チタン、カーボンファイバーへと軽量・高強度へ進化し、現在の車椅子は極めて軽くなっています。
車椅子の種類
- 手動車椅子:モーターなしで使用者または介助者がプッシュリムやフットペダルで駆動。後輪径は20〜26インチ。
- トランジット用手動車椅子:後輪が小さくプッシュリムなし。空港や医療施設で介助者が押して使用。
- 電動車椅子:充電式バッテリーで駆動。ジョイスティック、スイングバー、または吸気式コントローラーで操作。座面・背もたれ・脚部の電動調整も可能。
- スクーター:4輪で低いプラットフォーム上に座席。ハンドルとステアリングバーで操作。
- スポーツ車椅子:極軽量の固定フレームで折りたたみ不可。角度のついた車輪でコーナリング時の安定性を確保。
- 階段昇降車椅子:専用ユニットに通常の車椅子を装着するタイプや、ゴムトラックで段差を把握して駆動するタイプがあります。
- ビーチ車椅子:幅広い車輪で砂に沈むのを防止。
- スノー車椅子:冬用トレッド付きのバルーンタイヤ。
- 小児用・肥満用車椅子:小児用はサイズが小さく可動域が広く、肥満用は250ポンド(約113kg)以上の体重に対応する頑丈な構造です。
車椅子のアクセサリー
- 背面・ハンドル・側面に装着できるさまざまなサイズのバッグ。
- バンパーやヒッチに取り付けるキャリア。自動リフト式は折りたたみ車椅子を車の屋根やトラックベッドへ持ち上げます。
- 空気クッション、フォームクッション、クーリングパッド、ジェルクッションなど、快適性を高める座面用クッション。
- プッシュリム使用時の手の保護やグリップ向上、保温・防湿機能を備えたグローブ。
- 車椅子のアームレストに取り付け、ベルトで固定できるトレイ。食事・読書・工作・作業に便利です。
- 建物や車両内で車椅子を上下させるリフト。
- 建物への段差解消用スロープや、歩道に設置された車椅子用カットアウト。
- カップホルダー、リムカバー、酸素タンクホルダー、杖キャリア、釣り竿ホルダーなど、生活シーンに合わせた多種多様なアイテム。
