中等度の胸水(胸腔水)とは何か?

潤滑剤は機械の可動部品が滑らかに動くようにします。人間の体でも、胸腔と肺の胸膜組織を潤すために少量の液体が産生されています。この胸膜液は吸息時に互いにすり合うことで、肺の拡張を助けます。国立衛生研究所(NIH)のMedlineによれば、胸膜に過剰な液体がたまると胸水(pleural effusion)となり、肺が十分に膨らむのを妨げます。中等度の胸水は病気そのものではなく、基礎疾患のサインです。

原因

  • 胸水は大きく2種類に分かれます。血管内圧の上昇や血漿タンパク質の低下により血管から胸膜腔へ液体が漏れ出す「漏出性胸水(transudate)」は、主にうっ血性心不全が原因です。
  • 血管の閉塞、炎症、肺損傷、薬剤反応などで血管から液体が漏れ出す「滲出性胸水(exudate)」があります。時には両方の特徴を示すこともあります。

症状

  • 胸水の有無にかかわらず、最も一般的な症状は息切れと胸痛です。液体が肺の膨張を妨げるため、呼吸がしにくくなります。
  • 深呼吸や咳をすると胸壁に痛みを感じ、痛みは上腹部、首、肩に放散することがあります。

診断

  • 胸部の視診・聴診・打診で異常を確認します。液体があると打診音が濁ります。
  • 胸部X線撮影で胸水の有無を確認し、超音波検査で液体の性状(自由流動か局所に限られるか)を評価します。
  • CT検査は肺や他の原因病変を詳細に描出し、胸腔穿刺(thoracentesis)で採取した液体を検査することで、漏出性か滲出性かの判別が可能です。

治療

  • まず液体を排除し、呼吸を楽にします。胸腔穿刺や胸管留置によるドレナージが行われます。
  • 次に根本原因を治療します。心不全が原因なら利尿薬、感染や炎症が原因なら抗生物質や抗炎症薬が使用されます。
  • 中等度の胸水は、基礎疾患が進行し肺膜を損傷したサインであり、早期の診断と原因治療が重要です。

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