疾患の原因の種類
病因学は、病気の原因を研究する学問です。病因が分からなければ、医師は適切な治療を行うことができません。原因は自然的なものから稀なものまで多岐にわたり、内部症状や身体的所見を手がかりに診断が進められます。
先天性
先天性疾患は、胎児が母体内で発育する過程で獲得されます。遺伝性疾患とは異なり、次世代へ受け継がれる可能性は低いです。主な原因は、妊娠中の母親が感染症にかかることですが、胎児の発育異常全般も原因となります。例として、胎児性脳卒中が脳性麻痺の一因と考えられています。
遺伝性
遺伝性疾患は、遺伝子を介して世代間で受け継がれます。失明や糖尿病への感受性などが代表例です。遺伝は必ずしも全ての子に現れるわけではなく、受け継がれる遺伝子の組み合わせ次第です。胎児の段階でも遺伝子検査によりリスクを評価できます。
化学的要因
化学物質も様々な疾患の原因となります。放射線やカフェイン、重金属イオンはがんをはじめとする疾病リスクを高めます。ヒ素などは摂取量に応じて不快感から死亡に至ることがあります。毒性学的検査は原因特定と治療方針の決定に役立ちます。
外傷
外傷は身体的・精神的な二つの側面で疾患を引き起こすことがあります。身体的外傷は単なる出血以上の影響を及ぼし、頭部外傷は記憶喪失や頭痛、昏睡状態を招くことがあります。精神的外傷は、戦争や重大な心理的ダメージを受けた際に発症するPTSD(心的外傷後ストレス障害)などの形で現れます。
病原体による感染
病原体、すなわち細菌やウイルスは多くの一般的な疾患の根本原因です。これらの微小な感染性微生物は接触を通じて人から人へと病気を拡散します。ヒト免疫不全ウイルス(HIV)は、感染者との接触で広がる代表的な病原体です。
