統合失調症の歴史と治療の概観

統合失調症は、現実と妄想の間を行き来する思考障害で、幻覚や合理的に考えることの困難が主な症状です。かつては体内に潜む悪霊が心を支配すると考えられていました。

初期の治療

  • 先史時代から19世紀まで、頭蓋骨に穴を開けて悪霊を追い出す「トレパネーション」が行われました。精神病患者の発作を抑える目的で、様々な手法が試みられました。18〜19世紀の米国医師ベンジャミン・ラッシュは、精神疾患は血液循環の障害と考え、患者を長時間回転させたり揺すったりして脳への血流を減らすと主張しました。また、瀉血(血抜き)も循環改善の手段として用いられました。

精神病院(アサイラム)

  • 精神疾患患者は感覚が鈍くなると信じられ、暖房のない地下室に鎖で繋がれました。動物と同等とみなされ、檻に入れられ、床で寝かされることもありました。衣服は乏しく、靴もなく、汚れた食事を少量だけ与えられました。

女性の闘い

  • 19世紀を通じて女性は男性よりも劣っていると見なされ、精神疾患になるリスクが高まっていました。女性は感情を抑え、精神疾患と烙印を押されないように受動的でいることが求められました。

原因

  • 統合失調症は遺伝的要因が強く、家族内で発症しやすいことが知られています。脳の構造や神経伝達物質の異常も診断の手がかりとなります。幼少期のトラウマ、虐待、ストレス、妊娠中の身体的・精神的合併症なども発症リスクを高めます。

画期的な治療薬

  • 1954年に米国食品医薬品局(FDA)は、統合失調症患者の生活の質を改善するためにクロルプロマジンの使用を承認しました。10年以内に5,000万人以上の患者に投与されたとされています。

現代の治療

  • 現在では早期診断が可能となり、個々の症状に合わせた薬物療法と心理社会的支援(認知行動療法など)を組み合わせることで、症状のコントロールと社会復帰が期待できます。

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