黄斑変性に対する光療法の概要
黄斑変性と光療法の基本
黄斑変性は、網膜の中心部である黄斑が徐々に機能を失い、鮮明な中心視力が低下する疾患です。現在、黄斑変性自体を根本的に回復させる治療法はありませんが、光療法は視力低下の進行を抑えることを目的としています。
黄斑変性のタイプ
大きく分けて「乾性」と「湿性」の二種類があります。
- 乾性黄斑変性:最も一般的で、黄斑が薄くなるか、色素が沈着することで進行します。
- 湿性黄斑変性:比較的稀ですが、新しい血管が黄斑下に増殖し、血液や液体が漏れ出すため、急速に視力が低下します。
光療法は主に湿性黄斑変性に対して行われます。
光療法の種類と特徴
1. レーザー光凝固(熱レーザー)
「ホット」レーザーとも呼ばれ、漏れ出す血管を高エネルギーのレーザーで焼灼し、血管壁を凝固させます。主な効果は出血・漏出の停止ですが、網膜に瘢痕が残り視野に盲点ができるリスクや、再度血管が漏れる可能性があります。
2. 光動態療法(PDT)
Visudyne(ベジルジン)という光感受性薬剤を静脈注射し、10分間血中に保持させた後、低エネルギーの赤色レーザーを約83秒間照射します。薬剤が光に反応して化学反応を起こし、異常血管を選択的に破壊します。手技は痛みがなく、治療後は2日間程度日光や強い光を避ける必要があります。効果は高いものの、血管が再び増殖した場合は追加治療が必要です。
3. 経瞳熱療法(TTT)
低出力の赤外線レーザーで血管を数度だけ温め、熱傷を伴わずに血管の成長を抑制します。再発率はまだ完全には解明されていませんが、比較的安全な手法として利用されています。
治療後の注意点とフォローアップ
光療法は「さらなる視力低下の防止」を目的とするため、治療後も定期的な眼科検診が不可欠です。新たな血管の増殖や再出血が起こり得るため、早期発見・再治療が視力維持の鍵となります。
