凍結保存の種類と用途
凍結保存(クライオ保存)とは、極低温で生体組織を保存し、後に復活させる技術です。保存期間に応じて、超低温フリーザーや液体窒素が使用されます。主に人間の生殖医療で活用されています。
精子の凍結保存
凍結保存した精子を用いた人工授精は、精管切除術の逆転や精巣からの直接採取より成功率が高いとされています。がん治療や前立腺・精巣手術の前に、また化学物質にさらされるリスクのある職業に就く男性、低精子数や射精障害のある男性に利用されます。
卵子の凍結保存
卵子の凍結保存は精子に比べ手順が複雑で、多段階の培養が必要です。凍結した卵子は解凍後に受精させ、胚移植で妊娠が可能です。主にキャリア志向の女性やシングルの女性が、将来の出産に備えて利用します。放射線療法や化学療法、卵巣摘出が必要になる場合にも選択肢となります。
精巣組織の凍結保存
精巣組織は生検で採取し、細かく切断した後、膠原酵素で処理して精子を分離します。分離した精子は細針やピンセットで回収し、組織と共に液体窒素で保存します。将来的に精子を回収し、体外受精に利用することが想定されています。
卵巣組織の凍結保存
腹腔鏡手術で卵巣組織を一部採取し、薄くスライスします。凍結保護剤で処理した後、液体窒素で保存します。必要時に組織を解凍し、自然な卵子の発育や移植に活用できます。
