アスベストが引き起こす代表的な疾患とは?
主な疾患
アスベストに長期間曝露されると、以下のような重篤な病気を発症することがあります。
- アスベスト症(asbestosis):肺に炎症と瘢痕が蓄積し、進行すると呼吸困難や咳が続く。
- 中皮腫(mesothelioma):体内臓器の表面を覆う中皮にできる希少がん。主に以下の4タイプに分かれます。
- 胸膜中皮腫:肺を覆う胸膜に発生
- 腹膜中皮腫:腹部の腹膜に発生
- 心膜中皮腫:心臓を包む心膜に発生
- 陰嚢中皮腫:精巣を覆う鞘膜に発生
- 肺がん:アスベスト繊維が肺細胞の遺伝子変異を誘発し、がん化することがあります。
原因
アスベスト繊維を吸入すると、免疫細胞が繊維を分解しようとしますが、繊維が長くて分解できず、化学物質が肺胞に漏れ出し瘢痕を形成します。中皮腫の正確な原因は不明ですが、遺伝的要因とアスベスト曝露が関与すると考えられています。
症状
症状は曝露から20〜30年後に現れることが多く、疾患ごとに異なります。
- 中皮腫:慢性的な咳、息切れ、筋力低下、体重減少、肺に液体がたまる(胸水)
- 腹膜中皮腫:腹部の痛みや腫れ、原因不明の体重減少
- 肺がん:貧血、嗄声(声がかすれる)、激しい胸痛、血痰、倦怠感、体重減少
- アスベスト症:持続的な咳や喘鳴、胸部の圧迫感、息切れ
治療法
肺がんは手術、化学療法、放射線療法の組み合わせで治療します。中皮腫は胸腔や臓器表面の液体除去手術や外科的切除が中心で、化学療法や放射線療法も併用されます。アスベスト症は根本的な治療法がなく、進行抑制と症状緩和が主な目的です。禁煙や予防接種により肺炎やインフルエンザのリスクを減らすことが推奨されます。
予防策
アスベストへの曝露を防ぐことが最も重要です。
- 作業場や住宅でのアスベストの取り扱い時は、必ず防塵マスクや防護服を着用する。
- 劣化・破損したアスベストは空気中に繊維が飛散しやすいため、触れないようにする。
- 定期的に職場の安全指導を受け、最新の防護マニュアルを遵守する。
- 健康診断や医師の相談を受け、リスク低減策を確認する。
