アスベスト関連肺疾患の概要とリスク
アスベストは人体に多くの健康問題を引き起こします。特に肺に蓄積した微細な繊維が肺胞や胸膜に障害を与え、さまざまな肺疾患を招きます。代表的な疾患として、良性胸水、アスベスト症、肺がん、胸膜プラーク、悪性胸膜中皮腫があります。
良性胸水
長期間アスベストに曝露された人の肺に、液体がたまりやすくなります。発症までに10年以上かかることもあり、症状が現れたり消えたりを繰り返すことがあります。
アスベスト症
アスベスト繊維を大量に吸入すると、時間の経過とともに肺に炎症が起こり、線維化(肺硬化)を招きます。米国疾病予防管理センター(CDC)によれば、症状が出るまでに15年以上の潜伏期間があることが多いです。酸素吸収能力が低下し、呼吸困難や咳が続くようになります。
肺がん
建設現場などで長期間アスベストにさらされた作業者は、肺がんのリスクが高まります。さらに喫煙習慣があるとリスクは飛躍的に上昇します。CDCや世界保健機関(WHO)は、アスベストを人間に対する発がん性物質と分類しています。
胸膜プラーク
アスベスト曝露により胸壁や肺を包む胸膜に厚みのある斑点(プラーク)が形成されます。これらはX線検査で確認できるまでに数十年かかることがありますが、通常は無症状です。
悪性胸膜中皮腫
長期にわたるアスベスト曝露が原因で、胸膜の細胞にがんが発生します。建設作業員などで頻繁に見られ、腫瘍は数センチメートルに達することがあります。予後が非常に悪く、早期発見が重要です。
