慢性閉塞性肺疾患(COPD)
概要
慢性閉塞性肺疾患(COPD)は、肺の気道が徐々に狭くなり、呼吸が困難になる進行性の疾患です。正常な肺では、空気は気管を通り気管支へ、最終的に肺胞に届きます。肺胞と気管支は弾力性があり、呼吸ごとに拡張・収縮します。COPDでは、肺胞の弾力性が失われ、気道が炎症や破壊を受け、粘液が過剰に産生されるため、空気の流れが妨げられます。
原因
- 主な原因は喫煙です。タバコの煙に含まれる化学物質やタールが気道を刺激し、長期的に損傷します。受動喫煙もリスク要因です。
- 職場や環境での化学煙や粉塵の吸入も原因となります。
- 遺伝的要因として、α1-アンチトリプシン欠損症があります。このタンパク質が不足すると、煙や刺激物による肺の損傷が進みやすくなります。
リスクが高い人
- 喫煙者(現在または過去に喫煙した人)が最もリスクが高いです。
- 家族にCOPD患者がいる場合も発症リスクが上がります。
- 有害な化学物質や粉塵に長期間さらされた工場労働者などもリスク対象です。
- 症状は40歳前後から現れることが多いです。
症状
- 慢性的な咳と痰が代表的な症状です。
- 呼吸困難は特に歩行や階段昇降などの軽い運動で顕著になります。
- 重症化すると足首や足、脚のむくみが現れ、酸素不足により唇や爪が青紫色になることがあります。
治療法
- 根本的な治療法はまだ確立されていませんが、進行を遅らせるための対策があります。
- 禁煙は最も重要で、禁煙支援プログラムや薬剤が利用できます。
- 気管支拡張薬などの薬物療法で気道を広げ、呼吸を助けます。
- 酸素療法はマスクや鼻カニューレで酸素供給を行い、血中酸素濃度を改善します。
- 重症例では肺移植が検討されることがあります。
受診の目安
- 体重減少や筋力低下が見られる場合は医師の診察が必要です。
- 急激な呼吸困難、心拍数の増加、唇や爪が灰色になるなどの重症症状が現れたら、直ちに救急医療を受けてください。
