アルコールが原因の肝疾患
適量のアルコールは多くの人にとって問題を起こさないことが多いですが、過剰な摂取は身体的、精神的、社会的に深刻な影響を及ぼします。特に肝臓へのダメージは重大で、主に「アルコール性肝炎」「肝硬変」「脂肪肝」の3つの疾患が知られています。
アルコール性肝炎
アルコール性肝炎は肝臓が炎症を起こし、腫れと細胞障害が生じる状態です。飲酒を続けると炎症が進行し、肝機能不全や最悪の場合は死亡に至ります。逆に禁酒すれば、時間とともに肝臓は回復する可能性があります。
アルコール性肝硬変
肝硬変は肝臓に瘢痕組織(線維)が蓄積し、正常な機能が阻害される疾患です。主な原因は長期のアルコール摂取です。肝硬変は消化器系、腎臓、神経系にも影響を及ぼし、肝細胞癌や死亡リスクを高めます。瘢痕組織は一度できると元に戻りませんが、さらなる進行は防げます。
脂肪肝
脂肪肝は肝臓に過剰な脂肪が蓄積する状態です。腹部の不快感や痛みを伴うことがありますが、症状が全く現れない場合もあります。アルコール依存者に最も多く見られる肝疾患です。
主な症状
- 黄疸(皮膚や眼球が黄色くなる)
- 腹部不快感、嘔吐、吐き気
- 発熱、白血球増加
- 肝臓・脾臓の肥大
- 意識混濁、倦怠感、異常な渇き
- 腎機能障害、皮下血管の拡張(蜘蛛状血管)
これらの症状が現れ、特に1日1〜2杯以上の飲酒が続く場合は、速やかに医師の診察を受けましょう。診断には身体検査、血液検査、必要に応じて肝生検が行われます。
治療と予防
アルコール性肝疾患の第一の治療は「禁酒」です。脂肪肝や肝炎の場合、禁酒により肝機能が回復する可能性があります。肝硬変は瘢痕が残りますが、さらなるダメージは防げます。重度の肝不全に対しては肝移植が検討されます。
