前庭補償エクササイズ

前庭神経炎、良性発作性頭位めまい症(BPPV)、メニエール病、前庭炎、末梢前庭障害など、内耳の平衡感覚が低下する疾患は多数あります。専門家の指導のもと、前庭補償エクササイズ(前庭リハビリテーション)を行うことで、視覚や固有受容感覚を活用し、前庭機能が不全でもバランス感覚を維持できるよう脳を訓練します。

耳石再配置手技(CRP)

耳石が内耳の感覚器官に付着したままになるとめまいが生じます。専門家の指導の下、上半身と頭部を特定の順序で動かすことで、耳石を元の位置へ戻します。代表的な手技はエプリー法とセモント法です。

  • エプリー法は、頭部を4回の30秒保持で段階的に動かす手順です。
  • セモント法は、患者を横向きから反対側へ素早く転倒させる動作です。

これらの手技はBPPV患者に最も有効ですが、急激な動きは誤った実施により怪我のリスクがあるため、必ず専門家の指導を受けて行ってください。

Brandt‑Daroff(ブランド・ダーオフ)運動

Brandt‑Daroff運動は、比較的負荷が低く自宅で行える耳石再配置法です。ベッドの端に座り、頭を45度横に向けた後、反対側に素早く横になる動作を繰り返します。頭部の後方(耳の後ろ)がベッドに接触した状態で30秒保持し、座位に戻ります。左右交互に6回を1セットとして実施し、BPPVの症状緩和に役立ちます。

Cawthorne‑Cooksey(コートン・クックシー)運動

Cawthorne‑Cooksey運動は、眼球運動と頭部・体幹の動きを組み合わせ、めまいに対する耐性を高めるリハビリテーションです。視覚と前庭の相互作用を訓練し、バランス感覚を改善します。座位で行える眼球運動や肩・首の回旋、立位での目を開閉したままの姿勢変換、部屋を歩く、階段や斜面を上り下りするなど、段階的に負荷を上げていきます。個々の症状に合わせた回数や強度は、訓練指導者と相談して決定してください。

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