前庭神経炎の診断手順

前庭神経炎は内耳の前庭系が急性に機能障害を起こす疾患で、両側の前庭からの神経入力のバランスが崩れることが原因と考えられています。多くは数週間で自然に回復しますが、稀に数年にわたって再発することがあります。

診断手順

  1. 症状の聴取

    主訴は激しいめまい(回転性めまい)で、嘔吐や吐き気を伴うことが多いです。頭部を動かすと症状が悪化します。

  2. 眼振(にゅうがん)の確認

    最も重要な所見は自発性眼振です。良側耳へ向かう高速の揺れが見られ、患者が良側を見るときに顕著になります。視覚固定で眼振が抑えられることもあります。

  3. ホールピックテストの実施

    患者を座位から仰向けにし、頭部を前方、右45度、左45度の順に傾けて3回実施します。テスト中にめまいが誘発されれば、前庭神経炎の可能性が高まります。

  4. 鑑別診断

    眼振が多方向性の場合は中枢性めまいが疑われます。加えて、難聴、鼓膜炎、脳神経障害なども除外します。

  5. 軽度失神感と真性めまいの区別

    低血糖、貧血、心不整脈などは軽度失神感を起こしやすく、めまいとは異なります。血液検査はめまいの原因特定に役立つことは稀です。

以上の手順を踏むことで、前庭神経炎の診断を的確に行うことができます。

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