細菌感染が難聴を引き起こすメカニズム

細菌感染が難聴を引き起こす主なメカニズム

1. 直接侵入

緑膿菌(Pseudomonas aeruginosa)や肺炎球菌(Streptococcus pneumoniae)などの細菌は、外耳・中耳・内耳、あるいは聴神経へ直接侵入し、炎症や組織障害を起こします。その結果、正常な聴覚機能が妨げられ、難聴につながります。

2. 中耳炎(急性中耳炎)

肺炎球菌、インフルエンザ菌(Haemophilus influenzae)、モラクセラ・カタラリス(Moraxella catarrhalis)などが中耳に感染すると、炎症と液体貯留が生じ、音の伝達が阻害されます。特に小児に多く、聴力低下の原因となります。

3. 髄膜炎

細菌性髄膜炎は脳・脊髄を覆う膜の炎症です。炎症と浮腫が聴神経や内耳構造を損傷し、感音性難聴や失聴を引き起こすことがあります。

4. 毒素の作用

髄膜炎菌(Neisseria meningitidis)などが産生する毒素は、蝸牛(内耳の音受容部)に直接ダメージを与え、聴力低下を招きます。

5. 瘢痕・癒着の形成

慢性または再発性の細菌感染は、耳内部に瘢痕や癒着を生じさせます。これが音波の伝搬を妨げ、伝音性難聴を引き起こします。

6. 免疫応答による二次損傷

感染に対する体の免疫反応で放出される炎症性サイトカインなどが、内耳の微細構造を傷つけ、感音性難聴を引き起こすことがあります。

感染した細菌の種類、感染部位、症状の重症度、患者の全身状態や免疫力により、難聴の程度やタイプは大きく異なります。早期の診断と適切な抗生物質治療は、難聴の予防・軽減に不可欠です。

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