超高周波振動療法による耳鳴り治療の概要と効果
耳鳴り(ティンナイツ)は、頭部外傷、薬剤の副作用、騒音過剰曝露などさまざまな原因で生じる、耳や頭部に鳴り続ける音の感覚です。現在根本的な治癒法はありませんが、増幅装置やバイオフィードバック、人工内耳などの治療法が利用されています。その中で、超高周波振動療法は新たなアプローチとして注目されています。
超高周波振動療法とは
超高周波振動療法(Ultra High Frequency Vibration Therapy)は、音を用いて耳鳴りの感覚を覆い隠す「音響マスキング」や「リトレーニング」療法の一種です。特定の高周波音を脳に届けることで、耳鳴りの音を脳が無視できるように再プログラムし、残存抑制(residual inhibition)と呼ばれる一時的な軽減効果を得ます。この効果は数分から数週間続くことがあります。
仕組み
2005年に「International Tinnitus Journal」(第11巻第1号)で報告された研究では、10〜20kHz帯のパターン化された音を骨伝導で伝える商用デバイス「UltraQuiet」を使用しました。骨伝導は頭蓋骨を通して音を内耳に届ける方法です。
研究では、ノイズよりも音楽の方が効果的と考え、音楽をデジタル処理し音程を変えて CD に記録しました。その CD をアンプで再生し、頭部に装着した骨伝導トランスデューサーで皮膚に伝えました。
効果
同研究によると、超高周波振動療法は脳の耳鳴り処理を変える可能性があり、より永続的な残存抑制をもたらすことが示唆されました。患者ごとに改善度合いは異なるものの、全体として耳鳴りの軽減が見られました。治療期間中は耳鳴りの重症度が長期的に低下し、治療終了後も多くの被験者で少なくとも2か月間効果が持続しました。
