緑内障の最新治療法
緑内障は眼内圧が上昇することで視神経が障害され、最終的に失明に至る可能性のある疾患です。治療は眼房水(眼の中の液体)の量を減らすか、排出を促進することで眼圧を下げることを目的とします。眼圧を下げる薬剤やレーザー、外科手術が用いられます。
開放隅角緑内障
最も一般的なタイプで、眼房水の排出経路であるシュレム管が細くなることで眼圧が上昇します。症状は無痛で、視野欠損は病状が進行するまで自覚しにくいです。高齢者やアフリカ系アメリカ人にリスクが高いことが報告されています。
閉塞隅角緑内障
急性の眼圧上昇が突然起こり、虹彩が前方に押し出されて排出路が遮断されます。目が赤く痛み、視力がぼやけ、頭痛や吐き気を伴うことがあります。緊急の治療が必要です。
薬物療法
眼圧を下げる第一選択は点眼薬です。代表的なものは以下の通りです。
- α作動薬:眼房水の産生を抑制し、排出を促進しますが、心拍数増加や血圧上昇、口渇などの副作用があります。
- β遮断薬:産生抑制効果がありますが、心拍数低下や呼吸困難を起こすことがあり、心疾患や喘息のある患者は使用できません。
- 縮瞳薬(ミオティック):虹彩を収縮させ排出路を広げます。
- 炭酸脱水酵素阻害薬:眼房水の合成を減少させます。
点眼薬だけで効果が不十分な場合は、外科的介入が検討されます。
レーザー治療
主に以下の2種類が用いられます。
- 選択的レーザー線維柱帯形成術(SLT):高エネルギーのレーザーでシュレム管を開通させ、眼房水の流出を改善します。開放隅角緑内障に適応されます。
- レーザー周辺虹彩切開術(LPI):虹彩に小さな穴を開け、閉塞隅角緑内障の排出障害を解消します。
レーザー治療は点眼薬と併用することで効果が高まりますが、時間経過とともに効果が減衰することがあります。
従来の外科的治療
レーザーや点眼薬が効果を示さない場合、以下の手術が選択肢となります。
- カナルプラスティ:小さな切開でシュレム管を拡大し、眼房水の排出を促進します。開放隅角緑内障で安全性と有効性が報告されています(2009年、Journal of Cataract and Refractive Surgery)。
- トラベクュレクトミー:眼壁にフラップを作り、眼房水が外部に流れる通路を確保しますが、白内障のリスクが高まります。
- グラウコマドレナージインプラント:シリコンチューブとプレートを眼内に設置し、眼房水を直接排出させる方法です。前述の手術が失敗した場合の最終手段として用いられます。
患者の状態やリスクを総合的に評価し、最適な治療法を選択することが重要です。
