ダウン症候群の遺伝子検査とは
遺伝子コードは生物の構造と機能を決定しますが、ヒトの遺伝子に誤りが生じることがあります。その結果、軽度から重度までさまざまな身体・精神的障害が現れます。ダウン症候群は、明確な症状と特徴を持つ代表的な遺伝性疾患で、遺伝子検査により確定診断が可能です。
定義
- ダウン症候群(トリソミー21)は、21番染色体が1本余分に存在する遺伝子異常です。通常46本の染色体に対し、47本となります。
- 主な特徴は平らな顔立ち、軽度から重度の知的障害、成長遅延です。
- 出生率は約800人に1人です。
スクリーニング(検査前のリスク評価)
- 血清マーカー(拡張AFP)と母体年齢を組み合わせて、妊娠15〜20週でリスクを推定します。
- 頸部透明帯(NT)超音波検査は妊娠11〜14週に実施し、胎児の首の皮膚の厚さを測定します。
- いずれも確定診断ではなく、リスク評価の手段です。
羊水検査(Amniocentesi)
- 妊娠15〜20週に行う、最も一般的な確定診断法です。
- 長針で腹部から羊水を採取し、染色体分析を行います。
- 正確性は高いものの、流産リスクは約1%(施設により異なる)です。
- 結果は採取後約2週間で判明します。
胎盤絨毛採取(CVS)
- 絨毛組織を採取し染色体解析を行う方法です。
- 腹部穿刺または子宮頸部カテーテルで実施し、流産リスクは羊水検査と同等です。
- 妊娠10〜12週と比較的早期に実施できる点が利点です。
新しい検査法(非侵襲的出生前検査)
- 母体血液中の胎盤由来細胞自由DNA(cfDNA)を解析する簡易血液検査です。
- リスクは低く、妊娠5週以降から実施可能です。
- 高感度・高特異度で、確定診断ではなくスクリーニングとして位置付けられます。
