妊娠中の多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)治療
PCOSの女性でも健康な妊娠は可能です。妊娠中の治療は、妊娠前と同様に血糖値を正常に保ち、合併症を防ぐことが目的です。薬物・食事・運動の3つの柱で管理します。
薬物療法
メトホルミンはPCOSの女性に頻繁に処方され、インスリン抵抗性を改善し妊娠を助けます。2001年1月号『Fertility and Sterility』に掲載されたC.J. Glueckらの研究では、受精後もメトホルミンを継続すると流産リスクが低下し、胎児への先天性異常は認められなかったと報告されています。過剰な毛髪の成長を抑える薬など、妊娠前に使用していたPCOS治療薬は、妊娠前に医師と相談の上で中止してください。
食事管理
低炭水化物または炭水化物制御食はインスリン抵抗性の改善に有効です。妊娠中も炭水化物摂取を管理すれば、妊娠糖尿病の予防やインスリン抵抗性のコントロールにつながります。安全な食事としては、脂肪分の少ないタンパク質、低GI野菜・果物、乳製品、良質な脂肪、全粒穀物を選びます。Brewerダイエットは妊娠中でも問題なく、血糖上昇を抑える全粒穀物中心の食事です。妊娠前にアトキンスダイエットを実践していた方は、維持レベルの炭水化物制御を続けても構いません。
運動
運動はストレス軽減、インスリン抵抗性の低下、体力維持、分娩準備に役立ちます。妊娠前に定期的に運動していた場合は、医師と相談しながら継続または内容を調整してください。妊娠前に運動習慣がなかった方は、医師の許可のもと、散歩などの軽い運動から始めることをおすすめします。骨盤傾斜やケーゲル体操など、妊娠特有の不快感緩和や出産準備に有効なエクササイズを取り入れるとさらに効果的です。
