脊髄頭痛(腰椎穿刺後頭痛)の治療法
脊髄頭痛とは
脊髄頭痛(post‑dural puncture headache, PDPH)は、腰椎穿刺や硬膜穿刺で脳脊髄液が失われたときに起こります。脳脊髄液は脳をクッションのように支える役割があるため、減少すると脳が下垂し、頭部が立ち上がった状態で強い頭痛が生じます。通常、脳脊髄液は6〜8時間で再生成されますが、穿刺部から漏れが続くと、漏れが止まるまで症状が続きます。
主な症状
- 立位で悪化し、仰臥位で軽減する頭痛(軽度から重度)
- めまい、吐き気
- 視覚障害(ぼやけなど)
- 症状は穿刺後24〜48時間以内に出現することが多い
治療法
安静と水分補給
仰向けに横になることで頭部への圧力が減り、脳が安定します。多くの患者は24〜48時間のベッドレストで症状が改善します。また、十分な水分(できれば水)を摂取することで、脳脊髄液の再生成が促進されます。
薬物療法
鎮痛剤(イブプロフェン、アセトアミノフェン、ナプロキセンなど)や、必要に応じて処方されるオピオイドが用いられます。片頭痛薬(スマトリプタン等)も疼痛緩和に効果的です。
血液パッチ(エピデュラル血液パッチ)
症状が重く、自然回復が見込めない場合に行われます。患者から採取した血液を穿刺部位の硬膜外腔に注入し、血液が凝固して漏れを塞ぎます。文献によれば、自然治癒せずに7日以上続く頭痛の約72%が血液パッチで改善します。感染リスクがあるため、施行は医師の判断に委ねられ、24時間後に行う場合や数日~1週間待つ場合があります。
その他の注意点
血液パッチは感染リスクが伴うため、施術前に無菌的手技が徹底されます。また、穿刺後は無理な体位変換や激しい運動を避け、症状が続く場合は速やかに医師に相談してください。
