ICD(植込み型除細動器)の適応基準

心不全の患者に対し、植込み型除細動器(ICD)は致死性不整脈を防ぐ重要な治療法です。適応はランダム化比較試験 MADIT‑I、MADIT‑II の結果に基づき定められています。

適応基準 1:最近の心筋梗塞(MI)

心筋梗塞の診断があり、発症から30日以上経過していること。30日以内の急性期は対象外です。

適応基準 2:左室駆出率(EF)20%以下(エコーで確認)

左室の駆出機能が著しく低下している(EF ≤20%)場合、ICD による不整脈予防が有効です。

適応基準 3:QRS 幅が 140 ms 以上

心電図上で QRS 幅が 140 ms(0.14 秒)以上の場合、室性不整脈リスクが高く、ICD の適応となります。

適応基準 4:過去に室性頻拍(VT)または心室細動(VF)を経験、またはVFから生存したこと

VT や VF の記録がある患者は、致死性リズムに対して即時除細動が必要なため、ICD が推奨されます。

適応基準 5:両心室の同期不全(心室間不整合)

左室と右室の収縮タイミングがずれ、心室同期不全が認められる場合、心室同期療法(CRT)を備えたバイバンテリカル ICD が有効です。

長QT症候群(LQTS)患者への ICD

QT間隔が延長した遺伝性疾患 LQTS でも、心血管専門医の判断により予防的に ICD を植込むことがあります。

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