概要

先天性心疾患(先天性心臓欠損)は、生まれた時から心臓の構造に異常がある状態です。米国心臓協会によれば、先天性心疾患は新生児に最も多く見られる先天性奇形です。過去は致命的な予後が多かったものの、医療技術の進歩により、十分に健康で充実した生活を送ることが可能になっています。

事実

  • 心臓の壁、弁、血管(動脈・静脈)に異常が生じます。米国国立心肺血液研究所のデータでは、約1,000人の出生で8人が先天性心疾患と診断されます。

  • 多くの場合、手術やカテーテル治療により合併症なく修復できます。出生直後に緊急手術が必要なケースは稀です。複雑な欠損を持つ子どもは、生涯にわたって専門的な心臓ケアが必要です。

原因

  • 受精後約28日目に心臓の左右が形成され、血管も発達し始めます。この時期に遺伝子異常、薬剤、ウイルス感染などが原因で欠損が起こります。小児期に治療された場合でも、成長とともに心臓が完全に正常でないことから、成人期に再発や合併症が現れることがあります。治療時の瘢痕組織が後遺症を引き起こすこともあります。

症状

  • 症状は成人になるまで現れないことがあります。頻脈や不整脈、皮膚の青白さ、息切れ、めまい、失神、極度の疲労感、むくみ(浮腫)などが主な兆候です。これらの症状が出た場合は速やかに医療機関を受診してください。

合併症

  • 疾患の重症度により合併症は多様です。不整脈は頻繁に見られ、重度になると突然死のリスクがあります。また、心内膜炎(心臓の内膜感染)、脳卒中、心不全、弁障害、肺高血圧症(肺の血管の高血圧)などが起こり得ます。

治療法

  • 軽度の場合は定期的な医師の診察で経過観察し、必要に応じて薬物療法で心機能を改善します。カテーテル治療は、足の静脈から細いチューブを心臓まで進め、欠損部位に小さな器具を放出して修復する方法です。重度の欠損では開胸手術や心移植が検討されます。子ども時代・成人時代に関わらず、治療後は継続的なフォローアップが不可欠です。