上唇の毛が増える原因と対策

多毛症(ヒルスティズム)とは

上唇に濃くて太い毛が増える女性がいますが、これは多毛症(ヒルスティズム)と呼ばれる状態です。多毛症は顔や体全体に過剰な毛が生える症状で、米国皮膚科学会によると約20人に1人の女性が罹患しています。主に体内で男性ホルモン(アンドロゲン)が過剰に産生されることが原因です。

多毛症の主な原因

  • 多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)

    米メイヨークリニックによれば、ヒルスティズムの最も一般的な原因はPCOSです。肥満、にきび、不規則な月経、不妊、卵巣嚢胞なども伴うことがあります。治療にはアンドロゲン抑制薬や経口避妊薬でホルモンバランスを整える方法が用いられます。

  • その他の疾患

    クッシング症候群(高コルチゾール状態)や先天性副腎過形成症などもアンドロゲン過剰を引き起こし、多毛症の原因となります。まれに卵巣や副腎の腫瘍がホルモン産生を増加させることもあります。

  • 薬剤・ステロイド

    シクロスポリン、ダナゾール、ジアゾキシド、ヘキサクロロベンゼン、ミノキシジル、フェニトインなどの薬剤や、アナボリックステロイドはアンドロゲンバランスを乱し、多毛症を引き起こすことがあります。原因薬が特定された場合は中止や投薬変更が検討されます。

  • 原因不明(特発性多毛症)

    診察で血中アンドロゲン濃度や月経周期を測定しても原因が特定できないことがあります。このようなケースは「特発性多毛症」と呼ばれ、原因が不明でも対症療法が行われます。

  • 妊娠に伴う変化

    妊娠後期(第3トリメスター)にホルモン変化で体毛や顔毛が増えることがありますが、これは多毛症とは別の正常な現象です。出産後はホルモンが元に戻り、過剰な毛は徐々に減少します。

治療と対策のポイント

原因が明らかになった場合は、ホルモンバランスを整える薬剤(抗アンドロゲン薬、経口避妊薬など)や、必要に応じて毛の除去(脱毛レーザー、電気脱毛)を組み合わせます。生活習慣の改善や体重管理も症状軽減に役立ちます。

ホルモン異常 - 関連記事