テストステロンの構造・機能と健康への影響

テストステロンは男性の性徴を決定する最も重要なホルモンです。胎児期において、テストステロンの有無が男児か女児かを決めます。男性では主に精巣で、女性では主に卵巣で産生され、男女とも副腎でも少量が作られます。

構造と物理的特性

テストステロンは炭素・水素・酸素からなる有機化合物で、分子量は 288.4 g/mol、化学名は 17β-ヒドロキシアンドロステン-4-エン-3-オンです。固体結晶または結晶性粉末の形で存在し、色は白色または淡いクリーム色です。

機能

男性においては、陰茎・精巣の発育、骨の成長、精子産生、声変わり、顔・陰毛の発毛、性欲(リビドー)の維持に関与します。女性でも、卵巣機能、骨密度、性行動に影響を与えると考えられています。

過剰なテストステロンの影響

自然にテストステロンが過剰になるケースは稀ですが、アナボリックステロイドの使用や人工的に増加させた場合の影響は多く報告されています。男性では高血圧、コレステロール上昇、血栓・心筋梗塞リスク増大、心筋障害、前立腺肥大、肝障害、精子数減少、精巣萎縮、勃起不全などが起こります。女性でも同様の循環器系リスクに加え、乳房縮小や声の低下が見られます。

テストステロン不足の影響

テストステロンが低下すると、男性では筋肉量減少、骨脆弱化(骨折リスク増大)、イライラ、集中力低下、うつ症状、性欲低下、精子数減少、不妊、勃起不全が起こります。女性でも骨密度低下、性欲低下、うつ状態が報告されています。

テストステロン低下を引き起こす疾患・状態

男性では精巣への外傷、放射線治療、精巣の感染や腫瘍、HIV/AIDS がテストステロン低下の原因となります。女性では下垂体・視床下部・副腎の疾患、エストロゲン療法が遊離テストステロンを減少させます。

ホルモン異常 - 関連記事