エストラジオール(E2)と閉経:ホルモン変化と対策
閉経は、女性の生殖期間が終わり、月経が止まり妊娠できなくなる時期です。一般的に、12か月間月経がない状態をもって閉経と判断します(平均年齢は約51歳)。しかし、閉経に至る前にホルモンバランスの変化は数年にわたって起こります。月経周期は卵巣で産生されるエストロゲンとプロゲステロンによって調節され、主なエストロゲンはエストラジオール(E2)です。
エストロゲンの種類
- E2は女性が自然に産生する3種類のエストロゲンのうち最も多く、思春期から閉経まで優勢です。
- 妊娠中はエストリオール(E3)が主に働き、閉経後はエストロン(E1)が主流となります。E1はE2に比べて作用が弱いです。
閉経の身体的影響
- 閉経自体は病気ではありませんが、エストロゲン(特にE2)の減少に伴い、以下のような症状が現れます。
・過度の疲労感
・睡眠障害
・気分の変動
・不規則な月経(閉経前)
・ホットフラッシュ(熱感)
・膣の乾燥
・腹部中心の体重増加
・骨密度の低下(骨粗鬆症リスク)
ホルモン補充療法(HRT)
失われたE2を補う方法として、ホルモン補充療法(HRT)が用いられます。主な投与形態は次のとおりです。
- 経口錠剤
- 皮膚に貼付するパッチ
- 膣内リング
- 腕や脚に塗布するクリーム・ジェル
米国食品医薬品局(FDA)は、HRTは最小限の用量で、可能な限り短期間にとどめることを推奨しています。
HRTを避けるべきケース
以下のような状況の女性はHRTを検討すべきではありません。
- 妊娠の可能性がある場合
- 乳がん、心疾患、血栓症の既往歴がある場合
- 閉経症状がほとんどなく、記憶障害や脳卒中予防だけを目的とした使用
安全性については必ず医師と相談してください。
代替薬・非ホルモン治療
ホルモン以外の薬剤でもE2低下による症状を緩和できます。
- 抗うつ薬(ベンラファキシン、フルオキセチン、シタロプラム、セルトラリン)―気分変動の改善
- ガバペンチン(Neurontin)―ホットフラッシュの軽減
- クロニジン―血圧降下薬だがホットフラッシュ抑制効果あり
- ビスホスホネートや選択的エストロゲン受容体モジュレーター(SERM)―骨密度の維持・骨粗鬆症予防
