Proviron(プロビロン)はどのように使用されるのか?
薬剤情報
Provironは、シェリング社が販売するアナボリックステロイド「メステロン」の商品名です。経口ステロイドでありながらアルキル化されていないため、他の経口ステロイドに比べて肝臓への負担が少ない特徴があります。もともとはうつ病やホルモン補充療法(HRT)の治療薬として開発されましたが、効果が弱いため医療現場やボディビルダーでの使用は限定的です。
抗うつ作用
1970年代後半から1980年代初頭にかけてシェリング社は、うつ病患者へのProviron投与を検証する研究を実施しました。6週間の連続投与により多くの患者で症状改善が見られましたが、プラセボ群でも同様の改善が認められたため統計的有意性は得られませんでした。また、自然テストステロン産生の低下といった副作用も報告されています。
ボディビルディングでの使用
アナボリックステロイドとして、Provironは筋肉増強を目的としたサイクルに組み込まれることがありますが、効果は極めて弱いため主な目的は以下の通りです。
- テストステロン類似薬やプロゲステロン(例:ナンドロロン)との併用で、リビドー(性欲)向上をサポート。
- ステロイド使用に伴うエストロゲン産生を抑制し、エストロゲン関連の副作用(水分保持や脂肪蓄積)を軽減。
ホルモン補充療法(HRT)
医師が処方することは稀ですが、年中無休でホルモン補充を行うボディビルダーは、サイクル後のテストステロン回復を待たずにProvironなどのステロイドで人工的にテストステロンを補うことがあります。
副作用
Provironはジヒドロテストステロン(DHT)由来のため、女性に使用した場合は男性化(体毛増加、クリトリス肥大、声の低下など)のリスクがあります。また、長期使用により体内の自然テストステロン産生が抑制され、精巣萎縮やテストステロン欠乏を招く可能性があります。エストロゲンへの変換が少ないため、他のステロイドに比べて副作用は比較的少ないとされています。
