閉経と間質性膀胱炎の関係と最新治療法
間質性膀胱炎(IC)は、膀胱壁の慢性炎症によって引き起こされる痛みを伴う疾患です。感染症がないにも関わらず、頻尿や尿意切迫感、下骨盤や膀胱部の持続的な痛みを訴える患者が多く見られます。米国では約120万人が罹患しており、約90%が女性です。放置すると膀胱壁が瘢痕化・硬化し、膀胱の容量が著しく低下することがあります。ホルモンバランスの乱れやアレルギー、尿中の有害物質が原因と考えられていますが、正確な発症メカニズムは未解明です。
ICとホルモンの関係
多くのIC患者は月経周期に合わせて症状が変動すると報告しています。月経中に症状が悪化する人もいれば、逆に楽になる人もいます。また、排卵期や月経前後に膀胱痛が増すケースも多数報告されています。専門家の間ではホルモンが膀胱に与える影響は一致していませんが、ホルモンレベルの上下が膀胱の感受性に影響することは確かです。
閉経期の膀胱症状
閉経前後(更年期)になると、エストロゲンが減少し、膀胱・尿道・膣の筋肉が弱まります。エストロゲン低下は痛覚過敏や炎症を招きやすく、膀胱や膣の潤いと血流が減少するため、乾燥と炎症が進行しやすくなります。Women-to-Womenのナースプラクティショナー、マーシー・ホルムズによれば、IC患者の約70%がエストロゲン低下に伴う肥満細胞(マスト細胞)の活性化を示し、ヒスタミン放出が膀胱組織にさらなるダメージを与えるとされています。
ホルモン補充療法(HRT)
血液検査でホルモンレベルを測定し、エストロゲン補充を検討することがありますが、効果には個人差があります。エストロゲン補充が症状改善に寄与する患者もいれば、逆に症状が悪化するケースも報告されています。心血管疾患、脳卒中、乳がんリスクがある女性にはエストロゲン療法は推奨されません。治療の適否は医師と十分に相談することが重要です。
薬物療法
現在、FDA が承認しているIC治療薬はエルミロン(Elmiron)だけです。エルミロンは膀胱粘膜に保護層を形成し、炎症を抑えると考えられています。その他、抗うつ薬が疼痛緩和目的で使用されることがあります。これらは神経伝達を調整し、ストレスによる肥満細胞活性化を抑える効果が期待されます。
膀胱への直接投薬とリハビリテーション
ヘパリンやエルミロンを膀胱内に直接注入する治療法は、一部の患者で有効とされています。また、IC患者の多くは骨盤底筋の機能不全を併発しており、骨盤底筋が十分に弛緩できないため排尿が困難になることがあります。専門の理学療法士による骨盤底筋リハビリテーションは、排尿の改善や痛み軽減に役立つことがあります。
