カベルゴリンの使用とプロラクチン低下のメカニズム

プロラクチンは脳下垂体前葉から分泌されるホルモンで、女性では乳汁産生や黄体ホルモン(プロゲステロン)の生成を促進します。過剰なプロラクチンは授乳障害や月経不順、不妊、下垂体腫瘍などさまざまな問題を引き起こす可能性があります。カベルゴリン(商品名:ドスティネックス)は、プロラクチンの過剰分泌を抑える薬剤として広く用いられています。

作用機序

カベルゴリンはドーパミン受容体を刺激するドーパミン作様薬です。視床下部から放出されるドーパミンは下垂体前葉のドーパミン受容体に結合し、プロラクチンの分泌を抑制します。カベルゴリンはドーパミンに似た構造で受容体に結合しますが、実際のドーパミン信号は送られないため、下垂体はプロラクチンを分泌しなくなります。その結果、体内のプロラクチン濃度が徐々に低下します。

効果・適応

カベルゴリンは、女性の乳汁漏出や月経不順、男女ともに起こる高プロラクチン症、下垂体腫瘍、不妊治療などに処方されます。米食品医薬品局(FDA)の臨床試験では、週2回・1 mgの投与を4週間続けたところ、95 %の女性でプロラクチン濃度が低下しました。また、8週間後には月経周期が正常化した女性が77 %、乳頭からの分泌が止まった女性が73 %に達しました。

用法・用量

カベルゴリンは医師の処方が必要な白色錠です。通常は0.25 mgを週2回から開始し、必要に応じて用量を増量します。治療中は定期的にプロラクチン濃度を測定し、6か月以上正常範囲に保たれた場合は減薬または中止します。

副作用・リスク

主な副作用は頭痛や吐き気で、使用者の26〜29 %に見られます。めまい、便秘、倦怠感も6 %以上で報告されています。稀に心臓弁膜の硬化や炎症が起こり、心不全や致死に至る可能性があります。

注意点

カベルゴリンは胎児への直接的な害は少ないとされていますが、妊娠中の子痙攣(子癇)や妊娠性高血圧がある場合は使用を避けます。また、肝機能障害があると薬物が蓄積しやすくなるため慎重に投与します。既往に心疾患・高血圧・肺疾患がある患者は、医師と十分に相談した上で使用してください。

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