腹部脂肪とホルモン障害
腹部脂肪は皮下脂肪として外側に見える脂肪層です。腹部脂肪があると、腹腔内に内臓脂肪が蓄積していることが多く、内分泌系の腺や主要臓器に近接しているため、ホルモンバランスの乱れを引き起こす可能性があります。
事実
ホルモン障害は、代謝・成長・思春期・気分を調節するホルモンを分泌する内分泌系に影響します。内分泌系の腺には松果体、下垂体、甲状腺、胸腺、副腎、膵臓、卵巣、精巣があります。脂肪細胞も化学物質やホルモンを分泌するため、脂肪組織は内分泌腺とみなすことができます。特に腹部の過剰な脂肪は、全体の内分泌機能を乱す物質を放出します。
機能への影響
腹部脂肪が過剰なホルモンを産生すると、内分泌系が乱れます。その結果、多くの内分泌障害は脂肪の蓄積を促進し、脂肪がさらに脂肪を作る悪循環が生じます。内臓脂肪が多いほど、内分泌系のバランスが崩れるリスクが高まります。代表的な障害には糖尿病、甲状腺疾患(甲状腺機能低下症)、アジソン病、クッシング症候群などがあります。
影響
腹部脂肪は内部臓器周囲の脂肪を示すことが多く、血中脂質(脂肪酸・コレステロール)の産生が増加します。血中脂質が増えると、悪玉コレステロール(LDL)が上昇し、善玉コレステロール(HDL)が低下し、インスリン抵抗性が生じます。LDLの増加とHDLの減少は心血管疾患のリスクと関連し、インスリン抵抗性はメタボリックシンドロームや2型糖尿病の要因となり、これらも心血管疾患のリスクを高めます。
診断
磁気共鳴画像(MRI)やCTスキャンにより、ウエストサイズと内臓脂肪の関係が明らかになっています。女性でウエストが35インチ(約89cm)以上、男性で40インチ(約102cm)以上の場合は、血圧、トリグリセリド、HDL、LDL、血糖値のチェックを医師に相談してください。
予防と対策
体重関連のホルモン障害リスクを減らすには、年齢・性別・身長に見合った適正体重に減らすことが最重要です。ウォーキング、ランニング、筋力トレーニングは健康体重維持に有効です。また、食事内容と量にも注意しましょう。全粒穀物、野菜、果物などの複合炭水化物と脂肪の少ないタンパク質を中心に摂取し、加工食品、砂糖飲料、トランス脂肪酸、飽和脂肪酸は避けます。1食の適量は拳一つ分が目安です。食事や運動を大幅に変更する前に、必ず医師に相談してください。
