過活動性甲状腺(バセドウ病)の治療法
甲状腺は体内のホルモン産生を司る腺で、甲状腺ホルモン(チロキシン)の分泌により代謝や体温、発汗、精神状態を調整します。甲状腺が過剰に働く状態を甲状腺機能亢進症(バセドウ病)と呼び、過度な発汗、急激な体重減少、不整脈、神経過敏などの症状が現れます。
放射性ヨウ素療法
1940年代から放射性ヨウ素(I-131)が経口投与され、甲状腺細胞に取り込まれることで徐々に細胞を縮小させます。効果が現れるまでに3〜6か月かかることが多く、症状が軽減しますが、甲状腺機能が低下し過剰な甲状腺ホルモンが不足するため、長期的にレボチロキシンなどの補充薬が必要になる場合があります。副作用は比較的少なく、ヨウ素は尿中に排泄されますが、グレーブス病患者では眼窩圧亢進が起こることがあります。
薬物療法
主にβ遮断薬と抗甲状腺薬の2種類が用いられます。β遮断薬は心拍数の上昇や不整脈などの症状緩和に効果があり、抗甲状腺薬(メチマゾール、プロピルチオウラシルなど)は甲状腺ホルモンの産生を抑制します。抗甲状腺薬は効果が出るまでに6〜12週間かかり、治療期間は最低でも1年が目安です。副作用として肝機能障害や白血球減少が稀に報告されています。
手術療法
症状が重い場合や薬物療法が効果を示さないときは、甲状腺全摘術(甲状腺摘出)や部分摘出が検討されます。手術は声帯や喉頭への損傷、近くの副甲状腺の損傷リスクがあり、後者が起きた場合はカルシウム補充が必要です。甲状腺が除去されると生涯にわたり甲状腺ホルモン補充が必須となります。
