右上腹部痛の鑑別診断

腹部は体の重要な臓器が集まる広い領域で、診察の際は右上、右下、左上、左下の4つの象限に分けて評価します。症状を象限で表現することで、関係する臓器や疾患を絞り込むことができます。

重要性

右上腹部には肝臓、胆嚢、胃の一部、大腸・小腸の一部が含まれます。医師はこれらの構造に関連する疾患を鑑別対象とします。

診察は聴診、触診で腫瘤や異常な硬さを確認し、発熱、嘔吐、下痢などの伴う症状を評価します。胸部の疾患が右上腹部に放散痛を引き起こすこともあります。

鑑別診断の種類

外傷がない場合、まず重篤な心肺疾患(例:重症肺炎や心筋梗塞)を除外します。その上で、右上腹部の臓器に関わる緊急疾患を評価します。代表的なものは急性胆嚢炎で、胆石症、肝炎、胃潰瘍、盲腸後方の虫垂炎、肝膿瘍、肝腫大などが挙げられます。

診断のポイント

詳細な問診、血液・尿検査、超音波やCTなどの画像診断を実施し、鑑別診断を絞ります。必要に応じて追加検査を行い、最適な治療方針を決定します。腹痛は軽視できず、早期の対応が重要です。

合併症・重篤化のリスク

一般的な鑑別診断が除外された場合、ヘルニア、腸閉塞、膵臓・胆管・肝臓の閉塞、悪性腫瘍など稀な原因も検討します。これらは入院・追加検査が必要になることがあります。

留意点

重症または再発性の右上腹部痛は緊急受診が必要です。痛みの発症時期、持続時間、性状を正確に伝えることで診断が容易になります。服用中の薬剤(処方薬・市販薬)も原因となり得るため、リストを用意すると診断に役立ちます。

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