放射線量が人体に及ぼす影響
髪の毛
200レム以上の被曝になると、毛根が極めて放射線に敏感なため、髪が大きな塊で抜け落ちます。脱毛は一時的な場合もあれば、永久的になる場合もあります。頭皮はかゆみや乾燥、赤み、炎症を起こし、日焼けのように見えることがあります。全身の毛髪(顔、腕、脚、脇の下、陰部)でも脱毛が起こり、毛が細くなることもあります。再生した髪は質感や太さが変わることがあります。
脳
脳細胞は再生しないため、5,000レム以上の高線量に達しない限り直接的な損傷は起きにくいです。しかし、放射線は神経細胞や微小血管を死滅させ、5,000レム以上の被曝は痙攣や即死につながります。皮膚炎、脱毛、急性中耳炎は時間とともに軽快することがありますが、長期的には萎縮、白質脳症、放射線壊死、神経機能低下、認知症などの重篤な障害が残ります。
血液系
約100レムの被曝でリンパ球数が減少し、感染症にかかりやすくなります。この段階は軽度の放射線障害と呼ばれ、初期症状はインフルエンザ様です。血液検査をしないと見過ごされがちですが、症状は最長10年続くことがあり、白血病やリンパ腫のリスクが上昇します。
消化管
200レム以上の被曝は腸管粘膜を損傷し、吐き気、腹痛、血性嘔吐、血性下痢を引き起こします。放射線は速く分裂する細胞(消化管上皮、生殖細胞、毛母細胞)を破壊し、DNA・RNAも損傷します。慢性的な障害としては腸の瘢痕化や閉塞、数か月から数年後に現れる小腸の狭窄があります。また、大腸や直腸に異常血管ができやすく、出血しやすくなります。
結論
放射線は自然に存在する物質ですが、過度な被曝は避けるべきです。少量でも重篤な疾患を引き起こす可能性があります。医療用放射線治療は有用ですが、副作用は深刻で慢性化することがあります。日常的な自然放射線は安全ですが、高線量の急激な被曝は痛みと死亡リスクを伴います。
