アルコール依存症の身体的影響

脳への影響

過度の飲酒は脳組織の萎縮を招き、鎮静感や混乱、記憶障害が進行します。記憶が全く残らない「ブラックアウト」や、長期間の大量飲酒後に起こるアルコール離脱症候群(せん妄)では、興奮、幻覚、錯乱、痙攣が見られることがあります。

がんリスクの増加

アルコールは粘膜を刺激し、口腔・咽頭・食道・胃・大腸・直腸など消化管全般のがんリスクを高めます。

生殖器系への影響

ホルモンバランスが乱れ、男性では勃起不全や女性化乳房、女性では月経不順(無月経)や性欲低下が起こります。また、乳がんリスクも上昇します。

米CDCによれば、アルコールは胎児に対して直接的に毒性を示し、胎児性アルコール症候群(FAS)やその他の先天性欠損を引き起こし、顔面異常、身長低下、協調運動障害、知的障害、学習・行動障害などをもたらします。

高血圧・心臓への影響

毎日の飲酒(適量でも)で血圧が上昇しやすくなり、心筋症や心不全、心筋梗塞・脳卒中のリスクが高まります。

ビタミン欠乏・栄養不良

アルコールは粘膜を刺激し、重度の胃炎を引き起こすことでビタミンB1(チアミン)やビタミンB9(葉酸)の吸収が阻害されます。さらに、飲酒中心の食生活により全体的な栄養状態が悪化しやすくなります。

膵臓への影響

慢性的な飲酒は膵炎を誘発し、激しい腹痛・嘔吐・悪心を伴います。膵臓が損傷するとインスリン分泌が低下し糖尿病を引き起こすほか、消化酵素の分泌不全により栄養吸収不良が生じます。

肝臓への影響

肝臓はアルコールを代謝しますが、過度の飲酒により代謝が追いつかず、肝細胞が毒性にさらされます。脂肪肝やアルコール性肝炎が進行すると肝線維化・肝硬変へと移行し、最終的には肝不全や肝臓がんのリスクが高まります。

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