クレブシエラ菌検査の概要
はじめに
クレブシエラ菌は、腸内に常在する多くの細菌のひとつです。結腸にとどまる限りは無害で、場合によっては有益な働きをしますが、体内の他部位へ移動すると危険で、最悪の場合は致命的になることがあります。
免疫力が低下した人に感染しやすく、最も一般的な感染症は肺炎です。入院患者では、侵襲的治療(カテーテルや人工呼吸器など)を通じて細菌が体内に入りやすく、クレブシエラ感染が頻発します。検査は、細菌が侵入したと考えられる部位に応じて実施されます。
検査方法
喀痰検体
肺や呼吸器系にクレブシエラが存在すると考えられる場合、喀痰を採取しグラム染色を行います。短くて丸みを帯びたグラム陰性桿菌として観察されます。
尿検体・創部スワブ
クレブシエラは尿検体からも分離できます。また、創傷部や静脈カテーテル、気管チューブなどの侵入部位からのスワブでも検出可能です。培養により確定診断が行われます。
胸部X線検査
胸部レントゲン画像では、クレブシエラ感染は主に肺の上葉に見られますが、下葉に現れることもあります。感染した肺葉は腫脹し、裂隙が突出した「膨隆裂隙像(bulging fissure sign)」を呈することがあります。ただし、この所見はクレブシエラに限らず、他の病原体でも見られるため、確定診断には培養結果が必要です。
