病院でのブドウ球菌感染症

ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)は、皮膚や鼻腔に常在する細菌で、人口の約3分の1が保菌しています。保菌していても必ずしも感染しているわけではありません。特に強い株として、メチシリン耐性ブドウ球菌(MRSA)があり、病院や医療施設で取得されたものはHA‑MRSA(医療関連MRSA)と呼ばれます。

感染の確認

ブドウ球菌は、皮膚の切り傷や開放創から体内に侵入すると感染します。入院中や手術後、免疫力が低下している人は特にリスクが高くなります。主な症状は、赤く腫れた部位、膿や分泌物、膿瘍、灼熱感、発熱です。重症化すると胸痛、咳、倦怠感、頭痛、発疹、息切れなどが現れます。

感染の種類

HA‑MRSAは医療機関内で容易に広がり、退院後に家庭へ持ち帰られることがあります。一方、地域性MRSA(CA‑MRSA)は、軍隊の兵舎、寮、ジムなど密接に接触する環境で拡散しやすく、コンタクトスポーツに従事する人に多く見られます。

影響

Northwestern Memorial Hospital の調査によると、米国の病院での全退院患者の約1%がブドウ球菌感染と診断されています。年間約95億ドルの追加医療費がかかり、平均入院期間は3倍に延長されます。また、院内死亡リスクは通常の5倍に上昇します。

予防策

手洗いは最も効果的な予防法です。温かい水と石鹸でこまめに手を洗い、流水がない場合はアルコール系手指消毒剤を使用します。傷口は清潔に保ち、乾燥させた上で定期的に絆創膏を交換しましょう。タオルやひげ剃りなどの個人用具は共有しないことが重要です。

治療法

軽症の場合は局所抗菌薬や経口抗生物質で治療し、必要に応じて医師が膿を排出します。重症例は静脈内抗生物質投与や点滴、酸素投与が必要になることがあります。処方された薬は症状が改善しても最後まで服用し、指示を守ることが回復の鍵です。

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