ガス壊疽の治療法
概要
ガス壊疽は主にClostridium perfringens(クロストリジウム・パーフリンゲンス)やA群溶血性連鎖球菌が原因で起こる急性壊死性感染症です。酸素濃度が低い環境で増殖し、組織を死滅させる毒素を産生します。血管障害、糖尿病、結腸がんなどの基礎疾患を有する患者に多く見られますが、約3分の1は特に既往がなく自然発症します。
治療手順
-
酸素投与と輸液
酸素を供給し、静脈輸液で電解質バランスを整えます。特に病院外での初期対応では、酸素吸入と十分な水分補給が重要です。
-
気道・呼吸管理と循環評価
気道確保と呼吸状態のモニタリングを行い、循環状態を頻繁に評価します。必要に応じて血管収縮薬は最小限に留め、虚血組織への血流低下を防ぎます。破傷風予防接種が未接種の場合は実施します。
-
抗生物質投与
診断前は広域ペニシリン系抗生物質を静脈投与し、診断確定後はクロストリジウムに感受性の高いペニシリンGとクロリダミンを経口投与します。MRSAリスクがある場合はバンコマイシンまたはリネゾリドを併用します。
-
疼痛管理と高圧酸素療法
適切な鎮痛薬で痛みをコントロールします。高圧酸素療法は一部の症例で有効性が報告されています。
-
外科的処置
壊死・感染組織はできるだけ早く外科的に除去します。感染拡大が止まらない場合は、四肢の切断が必要になることがあります。
