大腸菌はどのように移動するのか
大腸菌の運動メカニズム
E. coli は、鞭毛(へんもう)と呼ばれる長い鞭状の付属体で移動します。鞭毛はタンパク質フラジェリンから構成され、flhDC オペロンが合成を指示し、マスター調節因子 FlhD₄C₂(旧称 FlhDC)によって制御されます。
鞭毛の構造
鞭毛は主に3つの部分から成ります。
- 基部体(基底体):細胞膜に埋め込まれ、回転モーターを内蔵。
- フック:基部体と糸状体をつなぐ短く曲がった構造。
- 糸状体(フィラメント):細長く柔軟で、実際の推進力を生み出す部分。
回転方向と運動様式
鞭毛は時計回り(CW)と反時計回り(CCW)のいずれかに回転し、運動様式が変わります。
- 時計回りに回転すると、全ての鞭毛が束ねられ、細胞は直線的に前進します。
- 反時計回りに回転すると、鞭毛がバラバラに動き、細胞は「くるくる回転(タンブル)」し、進行方向を変えます。
このタンブル動作により、大腸菌は化学物質の濃度勾配を探りながら最適な環境へと移動する(走化性)ことが可能です。
