腎盂拡張(水腎症)の原因は?
機能と概要
腎臓の中心部にある腎盂は、尿が集まる空間です。尿管が閉塞または狭窄すると、尿が腎盂にたまり拡張します。拡張した腎盂は尿排出量の低下や尿路感染のリスクを高めます。
検査と診断
胎児の場合、妊娠20週頃の超音波で腎臓のサイズ・位置・エコー像を評価し、尿管や集合系の異常を確認します。成人では、腎臓や骨盤部の疼痛、尿量減少・無尿などの症状が現れます。CT、超音波、MRI、核医学検査などが診断に用いられます。
主な原因
水腎症は大きく分けて2つのメカニズムで起こります。
- 尿管の閉塞により尿の排出が妨げられ、腎盂に尿がたまる。
- 尿が逆流し、腎盂に戻ることで拡張が生じる。
乳児に多い原因
コーネル大学医学部の調査によると、胎児超音波で約1.4%に水腎症が認められ、胎児異常の中で最も頻度が高いとされています。主な原因は尿盂腎接合部(UPJ)狭窄で、尿管が腎臓から下がる途中で狭くなることが原因です。尿逆流(逆流性尿路)もバルブ機能の異常により起こります。
成人に多い原因
成人の水腎症もUPJ狭窄が主因です。解剖学的異常、腫瘍や前立腺肥大・妊娠・炎症による圧迫、機能不全、尿酸結石や血栓による機械的閉塞などが尿管を塞ぎ、腎盂に尿が滞留します。
治療法
治療は腎盂拡張の程度と原因に応じて選択します。成人では手術、内視鏡的処置、薬物療法で閉塞を除去することが一般的です。乳児は出生後に詳細検査を行い、感染予防のため抗生物質を投与することがありますが、手術が必要になるケースは少数です。
