乳児期発症の多嚢胞性腎臓病(ARPKD)
多嚢胞性腎臓病(PKD)は、常染色体優性型と常染色体劣性型の二つの形態があります。常染色体優性PKDは出生時に遺伝子が存在しますが、症状は成人になってから現れることが多いです。一方、常染色体劣性PKD(ARPKD)はまれですが、乳児期や幼児期に症状が出るため「乳児多嚢胞性腎臓病」と呼ばれます。
常染色体劣性PKD(ARPKD)
ARPKDは遺伝性疾患で、出生時に腎臓の発育異常が見られます。重症例では出生直後に呼吸不全で死亡することがありますが、症状が軽度の場合は幼少期まで目立たないこともあります。
症状
- 身長や体重が平均より低い
- 高血圧
- 尿路感染症の頻発
- 肝臓や脾臓にも嚢胞ができ、肝硬変や血小板減少、静脈瘤、痔核などの合併症が起こることがある
診断
- 胎児期・乳児期の超音波検査で腎臓が異常に大きくなることは確認できるが、嚢胞自体は小さすぎて見つけにくい
- 肝硬変が伴う場合、肝臓の超音波で間接的な所見が得られることがある
治療
- 症状に応じて利尿薬や血圧降下薬、抗生物質を使用
- 栄養管理と成長ホルモン投与が必要なこともある
- 重症例では腎臓透析や腎・肝移植が検討される
遺伝
ARPKDはPKHD1遺伝子の変異により発症します。両親がそれぞれ変異遺伝子を保有している場合、子どもがARPKDを発症する確率は25%です。
