ライム病ワクチンの現状と今後
ライム病はダニに刺されることで感染する重篤な疾患で、初期は円形紅斑(ブルズアイ)として現れ、放置すると関節痛、喉の痛み、頭痛など多様な症状を引き起こします。現在、市販されている予防ワクチンはありませんが、かつて期待されたワクチンがありました。
期間
1998年に米国食品医薬品局(FDA)は、初のライム病ワクチン「Lymerix」の承認を行いました。対象年齢は15歳から70歳で、1年にわたって3回接種するスケジュールでした。
機能
Lymerixは、ダニが媒介する細菌「ボレリア・バーグドルフェリ」に対する抗体を誘導し、感染を防ぎました。完全に予防できるわけではありませんが、屋外で長時間活動する人々にとって有効な選択肢とされていました。
論争
2002年2月、製造元のグラクソ・スミスクラインは販売不振を理由に自発的に市場から撤退しました。しかし、撤退の真の理由については様々な憶測が飛び交い、ワクチンの安全性や有効性をより厳密に評価すべきだとの声が上がっています。
開発中のワクチン
2008年にチェコで新たなライム病ワクチンが開発され、2007年にはロードアイランド大学のベクターベース疾患センターがパキスタンの研究者と協力し、ダニ媒介疾患に対するワクチンの研究を進めました。現時点では米国で利用可能なワクチンはありません。
予防・対策
効果的なワクチンがないため、ダニが生息する地域では以下の予防策が重要です。
- 虫除け剤を使用する。
- ダニに刺されたらすぐに除去する。
- 長袖・長ズボンで肌の露出を最小限にする。
