段階的圧縮ストッキングの主な合併症と対策
段階的圧縮ストッキングは、足首部で最も高い圧力をかけ、足に向かって徐々に圧力を下げる特殊なストッキングです。静脈瘤、リンパ浮腫、慢性静脈不全の治療や、長期間の安静が必要な術後患者の血栓予防に広く用いられます。しかし、適切に使用しないとさまざまな合併症を引き起こすことがあります。
皮膚壊死
糖尿病や動脈疾患を持つ患者では、圧縮ストッキングが血流を阻害し、皮膚組織への酸素供給が低下することで壊死が起こります。2009年7月号の『Phlebolymphology』に掲載された調査では、スコットランドの外科医の3分の1が圧縮による皮膚壊死を経験したと報告されています。壊死は緊急の外科的処置や、場合によっては切断が必要になる重篤な合併症です。
コンパートメント症候群
筋肉間腔の圧力が過度に上昇するコンパートメント症候群は稀ですが、過度に締め付けた圧縮ストッキングが原因で発症した例が報告されています。激しい疼痛、しびれ、感覚異常を伴い、神経障害や組織壊死につながることがあります。圧力を解除する外科的減圧が必要です。
血栓形成
適切な圧力がかからないサイズが大きすぎるストッキングは、血流の停滞を招き血栓ができやすくなります。多くの患者はストッキングの装着ミスに気付かず、他の血栓予防策を取らないままになることが問題です。
疼痛・不快感
装着初期に強い圧迫感や不快感を感じることが多く、特にむくみがある足や潰瘍がある部位では痛みが増大します。むくみを軽減したうえで適切なサイズと圧力を選択し、患者が継続して使用できるよう配慮が必要です。
合併症を防ぐためには、医師・看護師の指導のもと、正しいサイズ選びと装着方法を守ることが重要です。
