概要

帯状疱疹は水痘帯状疱疹ウイルス(VZV)によって引き起こされ、皮膚に痛みを伴う発疹が現れます。発疹が治癒した後も、神経が過敏になり続けると「帯状疱疹後神経痛(PHN)」となります。米国疾病予防管理センター(CDC)によると、帯状疱疹患者の約5人に1人がPHNを発症します。

症状と影響

PHNは燃えるような刺すような痛み、電撃様の痛み、鈍い深部痛など多様な感覚を伴います。かゆみやしびれが広がり、発疹部位から数センチメートル離れた場所まで不快感が及ぶことがあります。皮膚が極度に敏感になる「アロディニア」も起こり、衣服の触れや温度変化さえ耐えられなくなることがあります。頭痛や睡眠障害が併発することもあります。

日常生活への影響

強い神経過敏は仕事や日常生活を著しく妨げます。痛み以外に集中できず、家族や友人のサポートが必要になることがあります。うつや不安を伴うケースも多く、抗うつ薬や抗不安薬の併用が有効です。

治療法

PHNの疼痛緩和には以下の薬剤が用いられます。

  • 抗うつ薬:脳内の痛み伝達物質を調整。
  • 抗けいれん薬:神経の異常電気活動を抑制。
  • 処方鎮痛薬:重度の痛みにはオピオイド系が使用されることがあります。
  • ステロイド注射:脊椎近くに注射し炎症と痛みを軽減。
  • リドカイン貼付剤:局所的に痛みをブロック。
  • TENS(経皮的電気神経刺激):電流を流し神経経路の痛み信号を抑制。

予防策

帯状疱疹とPHNのリスクは、ワクチン接種で低減できます。

  • 水痘ワクチン:水痘にかかったことがない人に推奨。水痘・帯状疱疹の発症リスクを低減し、発症した場合でも症状が軽くなる。
  • 帯状疱疹ワクチン:60歳以上で水痘既罹患者に推奨。発症予防は完全ではないものの、症状の重症化を防ぎます。