肩部外傷の診断と治療方針

肩部外傷の種類

肩の外傷は、滑液包炎、捻挫、断裂、脱臼、分離、関節炎、腱炎、ローテーターカフ損傷など多岐にわたります。診断は、問診・身体診察・各種検査の3段階で行われます。

問診(病歴の聴取)

患者の生活習慣やスポーツ歴、肩に負荷がかかる動作の有無を把握することで、適切な検査や診察ポイントを絞り込みます。座りがちな生活の場合は、他の原因を探ります。

主な症状

外傷の種類により症状は異なります。脱臼では肩関節が前方・後方・下方にずれ、形が不自然に見えることがあります。骨折や骨の分離では腫脹や打撲痕が伴い、肩の突起が触知できます。腱炎や滑液包炎では肩上部や上腕三分の1にかけて徐々に痛みが増し、寝返りが困難になります。ローテーターカフ損傷では三角筋全体に痛みが走り、衣服を着る動作で痛みが増幅されます。凍結肩(肩関節周囲炎)では激しい痛みと可動域制限が起こります。

身体診察

診察では痛みの部位・強さ・可動域の制限・脱臼の有無を確認します。患者に肩を動かしてもらったり、簡単な日常動作を行ってもらいながら評価し、必要に応じて特殊テストを実施します。

診断に用いる画像検査

  • レントゲン(X線検査):骨折や関節の位置異常を確認。放射線量は低く、初期評価に有用です。
  • 関節造影(アーソグラム):関節内に造影剤を注入し、ローテーターカフや関節構造の詳細を撮影します。
  • 超音波検査:手持ち型プローブで皮膚上から音波を当て、リアルタイムで肩内部を画像化。ローテーターカフ損傷の評価に適しています。
  • MRI(磁気共鳴画像):最も高度な画像診断で、軟部組織や腱、靭帯、軟骨の状態を断層画像で詳細に把握できます。

これらの検査結果と問診・身体診察を総合的に評価し、最適な治療方針を決定します。

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