肛門裂傷(痔裂)の原因・症状・治療・予防

肛門裂傷は、肛門の粘膜にできる小さな裂け目で、排便時に痛みや出血を伴います。乳児から高齢者まで幅広い年齢層で起こり、ほとんどは自宅でのケアで数週間で自然に治癒します。

原因

乳児の場合、なぜ裂傷が起こるかははっきりしませんが、約80%が生後6〜24か月で経験するとされています。成人では、便秘や硬い便の通過が主な原因です。出産後の女性や高齢者は血流低下により組織が弱くなり、裂けやすくなります。炎症性腸疾患(IBD)や肛門性交も裂傷のリスクを高めます。

症状

最も典型的な症状は、排便時の鋭い痛みと血液の混入です。血はトイレットペーパーやおむつ、便自体に付着します。裂け目が見えることもあり、触れると触覚過敏や灼熱感が生じます。乳児は排便時に普段より泣き声が大きくなるなどの不快感を示すことがあります。

診断と治療

医師は視診で裂傷の有無を確認し、裂け目が明らかであれば直腸診は避けます。自宅での対策としては、食物繊維の摂取増加、十分な水分補給、OTCの軟便剤の使用が基本です。痛みや炎症を和らげるために、坐浴やエプソム塩入浴を1日1回行い、排便前にワセリンを塗布し、抗炎症クリームでケアします。

乳児の場合は、清拭回数を増やし、柔らかい布で優しく拭くことで皮膚刺激を最小限に抑えます。便秘が原因なら、小児科医と相談し、食事内容を見直して規則的な排便を促しましょう。

予後

大多数の肛門裂傷は数週間で自然に治癒しますが、再発しやすい傾向があります。6週間以上治らない慢性裂傷は、肛門括約筋の緊張が原因となることが多く、ボツリヌス毒素注射や筋弛緩手術が検討されます。

予防

予防のポイントは、肛門周囲を清潔に保ち、柔らかい布で優しく拭くことです。乾燥させ、刺激の強い衣類は避けましょう。下痢や便秘が起きた際は、速やかに対処し、適切な食事や水分管理で症状の悪化を防ぎます。

医学的状態 - 関連記事